3-08 戦争と協和 |
戦争(国家間の闘争)には協和(国家間の協力)が対義語関係にあります。どちらも外交です。 戦争か協和かは、治乱(治安が保たれているか騒乱状態か)とは別です。また、 平和(「和して」政治経済の安定)とも別です。平和の対義語は支配(「同じて」政治経済の安定)とします。 戦争発生の大体の原因は、生存のために止むを得ず起こすものではなく、国家間の利害調整能力の不足にあります。 国家間の利害調整能力が不足しているのは、構成員である国民の利害調整能力が低いためです。 各国で倫理教育を行うことで国家間の協調も個人間の協調も達成可能です。 戦争体験を語り継ぐだけでは、戦争を防ぐどころか同じように繰り返す可能性がかえって高まってしまいます。 子が親のやっていたことを繰り返してしまうのは、それしか知らず別の選択肢を見いだして選べないためです。 よって、同じ失敗を繰り返さないためには、併せて別のよりマシな選択肢も提示しましょう。 祖国愛だけでは他国に対して過当となりやすく、自国の欠点にも気付きにくくなってしまいます。 国粋主義者とならないように注意しましょう。 国家への忠誠(良し悪しに関わらず従う)を誓うのではなく、 国家を正当化(正当に見せかけることではなく、正当に体制を改めて行くことです)しましょう。 国家への帰属意識は、国の在り方を正当にしていくことで高めて行きましょう。 構成員が国を守る価値を見いだせないなら自壊してしまいます。 心の項目は準備中ですので、ここで紹介します。 愛(いと)しい・対象への維持欲求⇔憎い・対象への変更欲求 愛は「惜しむ(⇔尽くす、全てを出し切るか否か)」とは別の概念です。 事勿れ主義・表面上だけの平穏無事を重要視する考え方・避けて通せば喧嘩無し 平和・和やかに(和して)政治経済の安定・戦争や社会的混乱などが無く、社会の秩序が和やかで穏やかに保たれていること ⇔支配・蟠(わだかま)りつつも同調して(同じて)政治経済の安定・不平等な政治経済の安定 平安・平穏・穏やかで安定している⇔不穏・物騒 治まる・政治経済の不安定⇔乱れる・政治経済の不安定 秩序・正しい(或る基準に沿った)物事の順序や組織⇔無秩序 和(相手を不当に押さえつけること無く、双方の合意)して同ぜず(雷同ぜず) 支配は分配を支(つか)えさせるという解釈で用います。 蟠(わだかま)り・不平等への不満⇔和み・平等への満足 和する・仲良くする・親しくする 「和を以って貴しと為す(十七条憲法)」 「君子は和して同せず、小人は同じて和せず(論語)」 仲良く調和はしても、道理に合わないことにまでは従わない(同調しない) 同じて和せず・道理に合わないことでも調子を合わせて従う 無闇に同調せずに自ら考え、選び出して納得してから決めましょう。 その基準は正不当を推奨しますが、それについてもご自分でご理解された後に採用か否かを ご判断して下さい。 「今から支配されて最大限に長く苦しみ続けてから死ね」と強要されたら、その通りに引き下がるのは不当です。 「現状維持を揺るがすことは許さない」として話し合いすら拒否すると言うことは、 文句があるなら力ずくで掛かって来いということです。 手段が心理操作であろうと暴力であろうと、支配されるのは拒否しましょう。 戦争回避は推奨しますが、戦争放棄(義務として戦争を行う必要に迫られても果たさない)は不当です。 「戦争というだけで犯罪」ではありません。戦うのが不当であるときに無理やり争う原因を作って戦うことや、 戦うのが正当であるときに戦わないことは不当です。「何があっても不戦」ではなく、正当に戦争回避に力を尽くしましょう。 規模の大小のみで強制力の行使の許禁を変えるのは不当です。たとえ児童間の いがみ合いであっても同じことです。 例えば、浦島太郎で亀がいじめられているところへ もう一匹の亀が出て行っても、同じようにいじめられるだけです。 「武器を取り上げればいい」と言うのは、取り上げた側や外部勢力の支配を招きます。 武器の威力に関わらず、平和にして維持していくには勢力均衡を持たせましょう。 軍縮するなら、先に自国だけでやるのは不当です。 無力では、児童のけんかの仲裁すら出来ません。守るものの規模に応じて、必要とする強制力は変化します。 公安のためには警察が要ります。国家では軍事力が必要です。他国の軍事力を当てにするのも同じ事です。 戦争反対と叫ぶだけでは、戦争を回避することも自国民が蹂躙されるのも防げません。 戦争自体を放棄するという宣言は他国に対して「この私共を、どうぞお好きになさってください」ということです。 抑止力は軍事的な防衛能力だけではないにせよ、相手の同情心に訴えるだけでは不足です。 通じない相手もいます。その場合は、「ひと思いに殺してやるか」 「支配してかろうじて生かし、逆らったり用済みになったりすれば殺してしまうか」になります。 何の抵抗もせずに支配及び殺害されるわけには行きません。戦争も正当を目指す手段の一つと捉えましょう。 上記の考え方は、軍国主義(軍事力に拠って自国を強化し、他国を侵略していこうとする考え方)ではありません。 正当主義です。経済上・防衛上の国家単位を設けることは正当です。一つだけにすると独裁による害を招きます。 大体の人の性質が穏やかになったとしても、変心することも想定して警戒心は残しておき、 防衛の仕組み自体は形骸化させずに、或る程度実力を保ったまま残しておきましょう。 軍を軽視すれば、かえって乱れます。対象から守る価値が無くなれば、 守る意欲もなくなって行き、文民との意思疎通にも支障を来たしてしまいます。 自衛隊の方々には敬意を払いましょう。 「汝の隣人を愛せ、ただし垣根は取り払うなかれ(キリスト教)」 「親しき仲にも礼儀あり(日本の格言)」 太平洋戦争(大東亜戦争)の戦後処理の幾つかは未だに終わってないため「もはや戦後ではない」というのは、全体としては誤りです。 ただし、「経済的には」などの限定でなら正しいといえます。 反日政策で日本を過剰な悪玉にされるのを避けるため、政府機関で資料をまとめ、教科書その他にも反映させましょう。 当時の日本の全てが善玉であったとは言えませんが、個々別々に判断し直し、 全体としてもその印象操作を離れ、事実に近付けて行きましょう。 競う・相手よりも先んじようとすること 争う・大勢で相手方に勝とうとして争う 戦い・相手に勝とうとして争う 闘い・困難なことを克服しようと立ち向かうこと 挑む・強敵や困難に立ち向かう 協力・共通する目的のため互いに力を出し合うこと 競争・競合する(並び立たない)目的のため互いに利益を奪い合うこと 対等・互いの対抗力が等しい状態 士・一人前の男2専門の資格を持つ人 戦士・戦いに従事する人 兵・武器を持った人 兵士・兵卒・兵隊・軍隊で士官の指揮の下で戦う人 闘士・主義や主張に準じて活動する人 |
----------------------------------------------- 目次 |