3-01 人類以外の生物集団と人間社会の違い

生物集団の在り様、人間としての考え方と振る舞い


「獅子は我が子を千尋の谷に突き落とす(ライオンの話は事実ではないらしいですが)・かわいい子には旅をさせよ」といいますが、 無駄(不毛)な苦労はさせず、自他の利益になることを自覚させてやってもらいます。 ライオンのプライド(群れ)の子殺しは「共同体ではなく自己の遺伝子を残すため」ではなく、 単にそういった性質の方が生き残りやすかったということです。人間以外の動物の群れと 人間の社会の違いは、意思による制御の有無です。制御しなければ、長期的には皆が不幸になっていきます。 虫や人類以外の動物の個体や集団には、「生き残ること」以上の仕組みは備わりにくく、環境の変化に対しても脆弱です。 人間は「言語を使って思考判断し、幸福を築く(長く楽しく安全に生き残る)という目的を見いだし、 そのために互いに協力する」という性質を持つことが可能であるため、この点に於いてその他の生物とは一線を画します。


人というものに対して個々人の主観で「素晴らしい/下らない」「重い/軽い」などの評価を下しても 他者の主観と妥協できず不毛です。大体の人は、たとえ他人の利害と命に考えが及ばずとも「自分の利益と命は大切」と 思っていますから「自らの利益を増大させて自分を生かし続ける規範」を守ることの利益を理解できると推定します。 空虚でもなく、苦しみで満たすでもなく、楽しみで満たします。 正当規範を多くの人間が理解している社会で長く生きれば、それを得られる確率は そうでない場合よりも上がります。



2-17 努力3-02 人間の定義
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